加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性のイメージ写真

網膜の中心付近には直径1.5㎜ほどの黄斑部があり、非常に狭い範囲なのですが物を見るにあたってとても重要な役割を果たしています。
加齢黄斑変性は、文字通り加齢とともに黄斑の働きに異常が起こる病気です。
放置していると視力が低下していくため、高齢者が失明に至る大きな原因となっています。

加齢黄斑変性のタイプ

加齢黄斑変性には「滲出型」と「萎縮型」の2種類があります。
このうち滲出型は、黄斑の脈絡膜から網膜に向かって新生血管が伸びることによって起こります。
新生血管は脆くて弱いので、容易に出血したり血液中の水分が染み出たりしてきます。
そのため黄斑の視細胞が急速に損傷され、黄斑の機能は急激に悪化します。

これに対し萎縮型は、網膜の細胞と脈絡膜が徐々に死滅していくタイプであり、黄斑の機能はゆっくりと損なわれていきます。
萎縮型の場合には効果の高い治療法がありませんが、視力の著しい低下が生じるまでには10~20年ほどかかると言われています。

主な治療法

加齢黄斑変性の治療は、新生血管の活動性、中心窩との位置関係によって異なりますが、一般的にはレーザー光凝固や光線力学療法、抗VEGF療法などを行います。
レーザー光凝固術は、中心窩から離れた場所に活動性の高い新生血管があるときに選択します。
レーザー光線によって新生血管を焼きつぶすことにより、出血や血液中の水分の漏れも解消します。
光線力学的療法は、新生血管が中心窩にある場合に行われる治療法です。
光感受性物質が含まれている薬剤を腕の血管から注入し、新生血管に集まったのを確認しながらレーザー光線を照射します。
また、抗VEGF療法は、血管内皮細胞増殖因子の働きを抑えるお薬によって新生血管を縮小させます。
当院では、抗VEGF療法が可能です。